自転は加速している

大学生のお勉強用

大分岐(大いなる分岐)

『多いなる分岐』「大分岐」は、カリフォルニア学派に属するK.ポメランツが提唱した論である。

この論が発表される以前は、なぜ産業革命がヨーロッパで起きたのかという疑問に対して、ヨーロッパと他のアジアやアフリカなどの地域との経済的な差(分岐)が産業革命が始まる以前から存在していたという論(=ヨーロッパの独自性を時間的に遡らせようとする)が優勢であった。このヨーロッパ中心主義的な傾向をポメランツは批判している。因に、このヨーロッパ中心主義には、ウォーラーステインも含まれると彼は指摘している。

この論曰く、18cまで西ヨーロッパもアジアも極めて似通った経済の発展を辿ってきており、両地域の「大いなる分岐」は石炭を利用した「産業革命」が発生した1750年代以降に生じた。

18c以前は、西ヨーロッパの中核地域において市場の発展やプロト工業化が見られたのに対し、アジアの中核地域でも同様に商業化や工業化の前兆が見られた。

それにも関わらずヨーロッパのみが近代化した理由は、石炭資源の利用のしやすさという偶発的な自然条件と、新大陸をはじめとする海外植民地を持っていることによる資源・市場の確保にある。